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【呪術廻戦】infinity

第67章 隠し事



*****


「なー伏黒ー」


ずっと不思議だった。


「お前も別れた理由聞いてないの?」
「知らない」
「へー。誰にも言ってないのかな」


出会った当初は関わりたくないヤバいやつだと思った。
でも、次第に千夏さんがいることが当たり前になって、その時間を求めていた。


きっと、千夏さんに慣れていったのだと思う。
でも段々、明らかに新しい感情が芽生えていくのを無視できなくなっていた。


「それに…天元様、八乙女さんのこと「五条の子」って言ってたよな。なんで?」
「それは俺も思った。分からん」


会わない時は会いたくなる。
目の前にいる時は、直ぐに帰りたくなる。
その矛盾した両方の感情はどうしても消えなくて、自分の気持ちを言葉に出来ないことが悔やまれた。


こんなことをこいつらに言ったら茶化されるに決まっている。
絶対に言えないのに、時折どうしようもなく相談したくなる。
千夏さんと話す度にぐちゃぐちゃに掻き回されるのが本当に辛かった。


「玉犬……って」


辺りに敵が居なくなると、式神が千春さんに寄っていく。
詳しいことは聞かないと分からないけれど、彼女のあの姿はこの世に正しく生まれてきたわけではないはずだ。


「おーい、電車動いてるってよ!乗ろ!」
「ああ…2人とも行きますよ」


千春さんが式神を無視して歩く傍で、小さく興味をひこうとする千夏さん。
動物に嫌われがちな彼女は式神にも嫌われるらしい。


「もー…全然構ってくれない」
『騒ぐと余計避けられるよ』
「あ…」


胸がチクッと鳴る。
これは恋なんだろうってありふれた感情を当てはめることは簡単だけど、そんな常道的な気持ちだとしたらどうして俺はこんなに苦しいのだろう。


「恵ー。ジャーキーとか持ってない?」
「持ってません。その発想、流石に無理あります」


欲情的な何かだって健康程度に抱えている。
でもそれは、決して表に出してはいけないもの。

……ダメだ。
今は目の前のことだけ考えよう。


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