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【呪術廻戦】infinity

第66章 親愛なる生徒へ


*****


バッ────



破裂したような、なにかが擦れるような、音。
その1秒後にその風が頬に当たった。


「はぁ…はぁ……何してんの?」
「…」
「ねぇ」
「…」
「何してんの?教えてよ」


もう動かなくなった体に残る、最後の足掻き……というか。
この声がまだ聞こえるのは、奇跡だと思った。


『大丈夫か』


布が擦れる音。
体の感覚は既に消えているが、音から肩でも叩かれたのだろうと思った。


「なんか言えよ!っ」
『千夏。先にこっちだ』


……千夏、か。


「ハッ…」
『殺すのはあとでも出来る。な?』


この声は……誰のものだろうか。
少なくとも、千夏が言うことを聞くような間柄…。
硝子……ではないよな。


「せ、せんせ?起きて?」


ぺちぺちとした音が頭に響く。
決して心地よくはなかったけれど、何故か音が温かかった。


「,せ…、や、夜蛾…、せん、…ねぇ」
『もう無理だ』
「むり、って何?治してよ」
『…』
「千春ならできるでしょ!さ、さっき、あの人に、やった、みたいに!」


千春…?
なんで、千春がここに、実体を持っているんだ?


『無理』
「だから!」
『無理だってお前も分かってるだろ!』


千春の喝は思っていたより圧があった。


『…何回も言わせるな』
「言うよ!だって、生き返るかもしれないじゃん!」
『あの2人の例は忘れろ』
「忘れない。だって、生き返ったもん」
『…あのなぁ』


しん……と音が止んだ。


「…学長は、先生は……夜蛾は…死んだらダメなの」


全ての呼び名に思い出が蘇る。
それは出会った時から、今までの…最早夢だったのではないかと思うくらいに一瞬だった時間。



”この人、高専の教師だから”
”…”
”せんせー。コイツ、マジで人見知りだし、呪力やらなんも知らないから、教えてあげて”



「…この人は……死んじゃ嫌なの…」



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