第66章 親愛なる生徒へ
流石に度が過ぎていると感じたその日の夕方、一応教育機関であるから生徒の居場所を把握すべく片っ端から電話をかけた。
すると、2週目の傑の携帯でようやく繋がった。
「お前らどこで何やってるんだ…!」
『おはようございます…って、もうこんにちはか』
こいつのマイペースにイラついたのはこの時が初めてではない。
「ひとまず、そこにあとの3人もいるんだな?」
『ええ、みんな揃ってますよ』
奥から全く物音がしない。
逆に怪しかった。
「今日が何の日かわかってるか?」
『はい。始業日ですよね』
「どこにいるんだ」
『んー…どこでしょう』
ピキッ…
「ふざけるのも大概にしろ!連絡くらいしてくれないとこっちも困るんだ!」
『あれ、連絡行ってません?千夏が確か…』
すると、後ろから元気な声が。
『あっ、申請すんの忘れた!!』
『外出の?』
『そう……忘れてた。やばいよなぁ…マズったなぁ…』
声色はかなり真面目なもので、真剣に反省しているのだろうけれど…。
『千夏、そこじゃない』
『え?』
『お前、先生に連絡するって言ってなかった?』
『してないよ?』
『『は?』』
『…これだから千夏は』
『ご、ごめん!今言うから貸して…』
あちらにも手違いがあったみたいだが…。
『せんせ!』
「はい」
『今ね、沖縄にいるから…』
「………………沖縄?」
沖縄って、あの沖縄だよな?
『そう。だから私の代わりに…』
「なんでそんな所にいるんだ!!!」
電話だとわかっていながらつい大きな声が出てしまった。
周りの先生があからさまに同情の目を向けてくる。
『なんで、って…楽しいから?』
「そうじゃないだろ!そもそも、今日から授業が始まるだろうが!!」
『うん。だから、明後日には帰るよ』
「すぐに帰ってこい」
『ダメだよ。五条、来たばっかだし』
……あいつ、あの後沖縄に行ったのか!?!?
あの後、直ぐに!?