第66章 親愛なる生徒へ
「パンダはどうした。勝手に出歩くなって言ってただろ?」
「暇だったもので」
私の腕の中で、だるそうに手を挙げて最低限の返事。
先生にも敬語を使っているのか。
何故?
「暇…。それなら、千夏と遊んでやってくれ」
「はぁ!?なんで私…」
私はこんな奴嫌いだし!
大体、私が遊んでもらう側なの!?
「…仕方ないな」
構ってやるよ、みたいな顔で見上げられて、こめかみがピクピク唸る。
このまま地面に叩きつけてやろうか。
「何して遊びます?」
「…」
「お絵描き……あ、絵、下手そうですもんね。違うのにしましょうか」
…いいよ、そっちがそう来るのなら…。
「お前…私のことなんも分かってねーな。こう見えて、絵は上手いんだけど!?」
「へぇ、見た目によらず…」
「この、口ぃ…!!」
ま、まぁ、暇だったし?
たまにはこいつに構ってあげてもいいよね。
はーあ!
なんて優しい千夏ちゃんなの?
「紙とペンは?」
「僕の部屋にあります」
「おーし、案内しろ!」
12月30日の午後はこんな感じで…パンダと遊んで終了。
お絵描きやらパズルやら、パンダが基本的に遊びを選んで、私が付き合ってあげた。
「…やるやん、お前」
「そちらこそ」
……ひ、1人で遊ぶよりは?
まぁまぁ楽しかったかなって感じ。
いい暇つぶしになったよ、本当に。
「………ぁへ?」
気づいたら寝落ちしてたし。
右耳だけについていたイヤホン。
得意の寝相の悪さゆえに首に絡まないでよかった。
「…ん、おはよう」
パンダの部屋で寝てしまったわけだから、先生がいるのには納得出来る。
でも、もうそんな時間なのか。
「…はよ。今何時?」
「9時半」
「……は?まじ?」
「腹減ってるか?」
9時半って、あの9時半だよね。
短針が9を指して、長針が…6を指す、アレ?
「お腹は…空いてるけど…」
「だよな。仕事も一段落付いたから…」
先生が示したローテーブルの上にはピザの箱が2つ。
「一緒に食べるか」