第66章 親愛なる生徒へ
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皆が家に帰ってしまって、辺りは一気に静かになる。
(…寒っ)
ここにいたら風邪でも引きそうだ。
別に、千春がいるし。
部屋に戻っても楽しいことはいっぱい…あるもん!
「千春…蕎麦ってどうやって作るの?」
声が聞こえる。
蕎麦を茹でるんだと。
…んなこと、知ってるわ!!
暇だから、粉から作ろうとしたのだけれど…
「まぁいいや。スーパー行…」
そうだ。
そういえば、外出禁止なんだった。
(…帰れるなら、私だって帰りたいし)
禁止されたのは高専領域からでること。
スーパーもコンビニも行ったらダメだと言う。
申請用紙は貰ったけれど…
(……いや、書くしかないな)
記入やら提出やらの面倒な過程は一旦考えないで、千春と一緒に必要なところを書く。
窓口で提出すると、案外さくっと許可が降りた。
蕎麦やお菓子に加えて、なるべく外に出ないで済むように飲み物も買っておいた。
いちいちこんなことで申請書を書くのは面倒だ。
チーズを貪り食いながら歩いていると、予報通り雪がチラついてきた。
これは積もるのだろうか。
積もれば雪だるまを作って遊べるし、量によっては鎌倉も作れそう。
「…そうなんだ。いざとなったら先生に貰いに行こ」
どうやら、雪を固めるには塩を振りかけたり、塩水を撒いたりするといいらしい。
原理は分からないけど、千春が言うならそうなのだろう。
「ただいまー」
自室はゾッとするほど寒かった。
暖房をつけるのはなんだか勿体ないから、購入品を冷蔵庫や棚に収納してから直ぐに部屋を出た。
ロビーに向かったのは、誰かしら通るかと思ったから。
けれど、私が話しかけられるような人は既に帰省したか、もしくは仕事中。
先生もこれから忙しいと言って、HRが終わると直ぐに教室を出てたし。
「…あー……つまんな」