第1章 轟君
焦凍に触れられるのは好き。
いや、断る理由なんてあるわけ無いんだけど!
ただ、恥ずかしすぎるって、だけで…
き、きっと、大丈夫…!
なんだかんだ、1年を側に居させてくれてるんだもん!
さっきも好きって言ってくれたし!
『きっと、優しい、よね!』
そう意を決して寝室に戻ると、
『ま、まさか、私が出てってから1回も動いてないの!?』
「あぁ。ぼーっとしてた」
…!
か、可愛いんですけど!
布団の上であぐらをかいて、後ろに両手をついて天井を見上げていた焦凍。
付き合ってから気付いたこういう一面も今となっては大好きなわけで…
彼の隣に腰を下ろして、そっと抱きつく。
「いいのか?」
『うん…あ、でも電気は消して、ね?』
「分かった。嫌だったらちゃんと言えよ」
覚悟出来てるか、なんて聞いたのは焦凍の癖に。
ちゃんと確認してくれる彼はやっぱり優しい。