第1章 轟君
恥ずかしすぎて、口元を手の甲で隠す。
チラリと私に馬乗りになっている状態の焦凍を見上げれば、同じように腕で顔を少し隠していて…
『焦凍、照れてる…!?』
「うるせえな」
『ふふっ…可愛い』
そう私が笑えば少し鋭い視線を向けられて、ごめんごめんと慌てて言う。
そして、目を細めた彼がゆっくり近付いてきて彼の唇が私のそれと重なる。
「可愛いのはゆきだ」
『…んっ、んぁ』
頭を撫でられて、再び重なる唇。
何度も何度も角度を変えて、次第に深くなっていくこれは、お互いに初体験だと確認済みだが、
…本当に、焦凍も初めてなの!?
そう思ってしまうほどに、私の口内に侵入してきた彼の舌は、私をどんどん溶かしていく。
『ふ、ぁ…待っ…んん』
目を開けば焦凍と目が合って、その目は、待たない、と言っている気がして、私も必死に焦凍の舌を自分のそれで追いかける。