第7章 疑惑
作戦会議は、スムーズに終わった。
今日も進行役を務めた零さん。
終始、私の功績を彼が称えてくれたお陰で私へ向けられる周りの視線が、前回と比較にならないくらい変わっていた。
(前回までは、様子を伺うようだったのに…)
その変化を嬉しく思い、私自身も、これまで以上にこのメンバーと組織壊滅を実行することに頼もしさを覚え始めていた。
同時に零さんと赤井さんのお陰であることを改めて思い、彼らにお礼をしようと心に決めた。
(赤井さんには、今までの護衛に関する詳細も確認しなきゃ!)
会議が終わり、いつもどおり足早に会議室を出ていく赤井さん。
私はすぐに彼を追いかける。
『赤井さん!』
声をかけてから、私はハッとした。
(しまった!私は毎回、赤井さんの喫煙時間を妨げている…)
その先の言葉を継げなくなってしまった私に、赤井さんはそっと近づいてきた。
赤:「どうした?」
その声があまりにも優しくて、そして、どこか色気もあって私はドキドキする。
別の理由で、言葉を継げなくなる私。
(これが任務なら、こんな事にはならないのに…)
心の片隅で私は思いながら、赤井さんから目が離せなくなった。
赤井さんは、私がいつまで経っても話さないことに疑問を持ったようで、さらに近づいて来た。
そして、そっと私の頭へ手を伸ばす。
その仕草に驚いた私は、キュッと目を閉じてしまった。