第1章 出会い
「ミア!もう、私はここまでみたい。あなたに託すわ」
親友のリースリングこと、レオナ・ブッフホルツが、NOCの容疑で
黒の組織に抹殺されてから1年。私は、父の祖国 日本にやってきた。
観光ではない、レオナの敵を打ちにやって来たのだ。
彼女が、シュプレー川に飛び込む直前に送られた私へのメッセージ。
BND(ドイツ連邦情報局)の第5局(国際テロ対策)のエースであった彼女が私に託した想いを遂げるために、私はここにいる。
BNDの第8局(公安・対諜報)のエースである私とレオナは、組織のドイツ国内でのテロ活動を防ぐ為、活動していた。
私が国内に潜伏していた組織の末端メンバーを制圧していた時、レオナは組織幹部のジンに追われ、命を落とした。
その原因を作った日本公安警察の会議室に、今、私はいる。
私の目の前では、FBIをはじめとした国際諜報機関、警察機関が一丸となり組織を壊滅する作戦会議が繰り広げられている。
会議を進行するのは、日本公安警察のエース 降谷零。
組織に「バーボン」というコードネームで潜入している捜査官だ。
『彼も私と同じか…』
と呟きながら、私はレオナの最後のメッセージを握り締めていた。