第4章 この道、桜吹雪につき。注意。
●小金井 慎二● 〜校庭〜
「そうだ!
キミ、入る部活はもう決めた?」
?「えぇ?部活…は…
いえ、決めてません。」
よっしゃ、ラッキー!
口に出さない代わりに、拳を握ってこっそりガッツポーズを決めた。
「じゃあさじゃあさ!!
バスケ!なんて興味ない?」
?「ば…バスケ?」
「そうそう!
いまマネージャー募集しててさ!
まだ決まってないなら、どうかな?!」
?「あ、うーん…
どうです…かね?」
オレの問いに対して、まだ決めていないと言った女の子は、視線を上下左右に動かしながら口籠る。
遠目から見たポテチの袋は、間近で見てもやっぱり大きくて。
女の子は、ポテチの袋を両腕でしっかり抱え込みながら、眉を顰めて小さく微笑んでる。
その視線は、やっぱりオレの方を見ていなくて…
ん?迷ってる?
でも大丈夫。
こう言う時のための、誠凛バスケ部の小金井 慎二ってもんだ!
「いやいや、めっちゃ楽しいんだから!!
メンバーも面白いやつばっかだし。
えーとね、
毒舌眼鏡と、ダジャレ好き残念イケメン、
男勝り女監督に、
ダンマリと細目ハッピー野郎。
それとね〜」
オレはチームメンバーを指折り説明した。
バスケ部がいかに魅力的なのかを分かってもらえれば、絶対に決断の決め手になる!!
…と思っていたのに。
?「おい、小金井!あんましつこくすんなよ!」
最後まで言い切る前に、オレと女の子の元によく知った声が降り注いだ。
人混みを切り分けてオレの元に届いた、よく通るこの声は…