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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第13章 英雄ぶるのも大概に


●天 side● 〜体育館〜


全国1位を決める戦いが、感動的なものになるとは限らない。それは天が一番よく知っていた。事実、中学時代に挑んだ全国の舞台で、天は痛いほどの絶望を味わった。


「えぇっ?!決勝の試合に出ていない?!」


天が話し終わると同時に、驚愕を露わにしたのはまたしても小金井だった。分かりやすく動揺を見せたのは1人だけだったが、天の口から語られた事実に驚いたのは他の部員も同じだった。


「あぁ、信じ難いが
 初の決勝戦はまさかの不参戦。
 その翌年は途中退場だった」


自分の話をそう要約した伊月を肯定するかの様に、天はコクリと頷いた。伊月同様、事前の下調べで経歴を知っていたリコも、なるべく平常心で天の声に耳を傾けていた。


天の中学は2年連続で全中への出場を果たし、更には決勝戦への出場権利を獲得していた…にも関わらず。
当時二年生だった天は、決勝に不参戦。つまり、出場すらしていなかったのだと言う。
そして中学時代最後の大会。三年生になって再び挑んだ決勝戦で、今度は途中退場だったと暴露した。


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