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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第13章 英雄ぶるのも大概に


●天 side● 〜体育館〜


マネージャーと間違えた女監督。先ほど初めて会ったキャプテンと、同じく初見の糸目の先輩。昨日天を勧誘してきた茶髪の先輩。そして、それを止めに入った顔立ちの整った先輩と、三角眉の先輩。火神と他クラスの一年3人…もしかしてと思いながらよく見てみれば、黒子もやはりそこにいた。


体育館の壁際にポツンと立つ天を、全員で取り囲むように立っていた。天の気付かぬ間に、部活動の時間はもう終わっていたらしい。


複数の視線に囲まれ、天は目のやり場に困った。しかし目の前の集団から唯一一人だけ、天の方に一歩近づいた影があったことで、天の視線は自然とその人物に引き寄せられた。


天が少し視線を下げると、そこにはバスケ部の監督がいて、天の方を真っ直ぐに見上げていた。その様子から、先ほど自分の名を呼んだのはこの人だということが、天は一瞬で分かった。


そして、それを決定付けるかのように、監督は口を開いた。全員を代表するかのように、天に問いただしたのだ。


「あなた、元はプレイヤーだったって…
 ほんと?」


そう問いかけられた瞬間。
天の頭に、ひとつの言葉が唐突に浮かび上がった。


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