第12章 ミニゲーム
●天 side● 〜体育館〜
「テメェ〜…!!」
「「「 どわあぁあぁ!! 」」」
目の前のその情景は、天に少しばかり口角を上げさせるだけのインパクトはあった。出会ってからというもの、黒子は幾度か奇想天外な事で天を驚かせてきた。
それはきっとこれからも同じで、高校生活の至る場面で黒子には驚かされることになるという事を、天は覚悟しているし期待すらしている。
ましてや、あんな約束をしたんだ。黒子は必ず天に示してくれるはずだ。
『任せろ…って事でいいんだな?』
そう呟いた表情は先ほどとは打って変わり、安心した眼差しでコートを見つめている。そこには微かに、笑みの様なものも感じられる。
天ははっきりと理解した。「黒子はこの試合に勝つ気だ」ということを。その証拠に他の一年とは違い、黒子の覇気はまだ無くなっていない。
しかし、試合はまもなく終わる。
このままでは一年の敗北は確実だ。ここから差を縮めることはおろか、二年を追い越して勝利するなんて到底無理に思える。
黒子が本領を発揮しなければ、の話だが。
天の気持ちは変わっていない。このチームを、本当に勝たせることができるのは黒子なんだ。
だから天は待っている。
『見せてやれ。本当の』
黒子のバスケを。