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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第4章 この道、桜吹雪につき。注意。


●黒子 テツヤ● 〜校門〜


覚えのあるその香りが漂ってきた方向をみると。


?「おっ…着いた着いた」


そこには。


同年代ほどの、女の子。


黒髪のショートヘアが風に乗ってゆらゆらと揺れる。
校門前から敷地内を覗くその横顔は、長い前髪に隠れてよく見えないけれど…
ほのかに馴染みやすさを感じてしまうのは、その服装が覚えたての誠凛高校の制服だからなんだと思う。


傍には、大きなポテトチップスの袋と、それよりもさらに大きなビニール袋。
イタズラっぽく指をペロッと舐める動作が、ちょっと可愛らしい。


彼女はなんだか。
雰囲気が誰かに似ているような。


そんなことを思っていたら、その子は大きく一歩を踏み出し。
校門から校庭に入って行った。


ボクもその後に続きます。


名前も知らないけど。
同じ高校の生徒だということも、ついさっき知ったばかりだけど。


もう少し、あの子を見ていたい。


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