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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第10章 チャイムの鳴る前に


●黒子 side● 〜1-B教室〜


 ーちょっと前ー


「図書室…ですか?」


所在不明の藤堂を探し出すため、クラスメイトに聞き込みをしていた黒子。
そして今、やっと藤堂の居場所を突き止めた。


(黒子とは別サイドの)藤堂の隣の席の男子生徒_____高木という男子生徒が言うには、藤堂は図書室にいるのだという。


「今が昼休みであることを考えたら、特におかしくもない」。
そう納得する黒子の隣で、


「本当はオレが行くはずだったんだけどな?」


と言って、申し訳なさそうに苦笑いする高木。


それを聞いた瞬間、黒子は思わず「え?」と零す。
同時に、納得のいく答えを貰って晴れやかになった黒子の脳内が、またしても曇ってしまった。


黒子が零した疑問符に対して高木は、「先生に授業の参考書取りに行ってくれって頼まれて」と説明を付け加える。


「図書室に1-B全員分用意あるから、ってさ。
 昼休みのうちに、って言われてて」

「それがどうして藤堂さんに?」


教師に直接頼まれたのは高木のはずなのに、実際に図書室に行ってるのは藤堂…
「なぜそうなったのか?」が、黒子には気になった。


ところが高木は「うん、まぁまぁ色々あって…」とだけ言って、笑ってはぐらかすだけであった。


「藤堂さんが言うには“お詫び”?
 らしいけど…」


そんな高木の言葉に、黒子はまたしても疑問符を浮かべる。


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