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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第9章 restart and redo.


●天 side● 〜自宅〜


一日の終わりに体を綺麗にした天は、すぐにベッドには入らず、自身の部屋の机に向かっていた。


今日の授業…と言っても、初日は単なるオリエンテーションだったため、本格的な授業は明日から始まることになっている。


そのため、寝る前に荷物を揃えようと鞄のファスナーに手をかける。
授業の教科書を一式詰めるため、鞄の口を大きく開けた。


すると…


中からぺちゃんこになった、ポテトチップスの袋が出てきた。
下校前に食べかけて、以後放置していたものだ。


「すっかり忘れていた」と言わんばかりに、天の顔が驚きで染まる。


手に持ってみて分かる通り、中身はほぼ入っていない…
歯を磨いてしまった後ではあるが、「この位、残していても仕方がない」と思い、寝る前にも関わらず天はそれを食べ始めた。


どんな状況においても、ポテトチップスはやはり美味しかった。
今晩の夕食が、あれほど悲惨なものになってしまった天にとっては特に。


まさに、思いもよらない収穫であった。


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