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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第9章 restart and redo.


●リコ side● 〜体育館〜


後方にいる伊月に声をかけようと、リコが振り返ったのとほぼ同時。


どこからともなく…
でもかなり近くで、自身に呼びかける誰かの声がリコには聞こえた。


その声を辿るように、後方に捻っていた首を元に戻す。


すると…


「うわぁ〜!!」


次の瞬間には、リコが驚愕の声をあげていた。
その後ろでは伊月も同様に、驚きの表情を浮かべていた。


それもそのはずだ。


なぜならリコの目の前に、先ほどまではその姿形も。
存在すらも忘れていた人物が立っていたのだから。


思えば今日の部活動開始時もそうだった。


その場にいた、リコにも伊月にも。
他の2年生や1年生にはもちろん、その存在を誰にも気づかれなかった人物がいた。


そして、あたかもそのシーンを再現し直しているかのように、いま同じことが起こった。


“ポテチちゃん”…改め藤堂 天を探し始めたリコと伊月の前に。
何の悪戯か、何の繋がりがあるのか…


「え、黒子…くん?」


再び、黒子 テツヤが現れたのであった。


リコと伊月は、目の前にいる黒子に声をかけられて初めて気がついた。
そして、それまで存在すら忘れていた代償を取られるかのように、2人の心臓の鼓動は急加速を始め冷汗が流れる。


その一方。
戸惑いを隠しきれない先輩2人を前にしながら、黒子は構わず続けた。


「藤堂 天さんなら、
 ボクと火神くんと同じクラスですよ」


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