第8章 すれ違いと疑念
●天 side● 〜帰路〜
部活動における、トレーニングメニューの一つ。
何の部活かまでは判別できなかったが、明らかに運動部が外周に励んでいたところに、天は遭遇したのであった。
そしてもう一つ…
その場で静止し、過ぎ去っていくその面々を流し見したとき。
天はある真実に確信を抱いていた。
暫定的に“年齢層が低い”と称していた、先ほどの男女混合の集団…改めて部活動だが…
高校生と断定するには、あまりにも幼すぎる面構えだった。
つい最近まで中学生だった天と、同年代と思われる部員も何人か存在していた。
しかしそれを加味したとしても、天よりも明らかに年齢の低い部員が、その運動部の大半を占めていた。
だから天はこの時、
『そうか…近くに中学が』
自宅のすぐ近くに、中学校があることを思い出した。
天の横を走り去っていった、中学生と思われる運動部の部員たち。
まだ、健気さとあどけなさを感じさせる若い命たちは、意気揚々と夕日の中へと溶けていった。
それを見届けた天の視線の先には、沈みかけているオレンジ色の太陽。
もうすぐで、日が暮れる。