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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第7章 窓際で出逢い


●no side● 〜1年B組〜


挨拶の済んだ黒子は、先ほど気になったことについても。
ついでに藤堂に聞いてみようと考えていた。


「あの、藤堂さん。
 一つ聞きたいことがあるんですが。」

『え…なに?』


それはまだ、藤堂が寝ている時の話。
黒子はその時を思い返すように、未だ乱雑な藤堂の机の方を見る。


黒子が気にかけていることは…


いまも変わらず、藤堂の机の上にある男子バスケ部のビラのことだった。
それに目を落としながら、黒子は続ける。


「そのバスケ部の」


その時だった。


ガラガラガラッという音と共に、教室中に行き渡るほどの声量で、


?「HR始めるぞー席付け〜」


と言う、男性の声が響いた。


「『 っ?! 』」


その時になって、黒子と藤堂は気付いたのだ。
HRが始まる直前だった、ということを。


急なことで、呆気に取られている黒子を横に、


『悪ぃ黒子くん。また…あとでも?』


と、己の顔の前で右手を構え、“ごめんのポーズ”を取る藤堂。
だから黒子も「はい、大丈夫です」と続けた。


その会話を最後に、黒子と藤堂はそれぞれの席に着いた。


しかし…


黒子は依然、藤堂の持つ男子バスケ部のビラについて、気になってしょうがなかった。


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