第7章 窓際で出逢い
●no side● 〜1年B組〜
黒子はまたしても、懐かしい気持ちに包まれていた。
大切な誰かと、似通った雰囲気を持つ女子生徒を見た時から。
そして、黒子は気づいた。
自分は何度でも、同じ気持ちになっていることに。
校庭で出会った少女と、
「もう少し、あの子を見ていたい。」
「あの人は、誰なんでしょう?」
1年B組の教室で出会った女子生徒、
「この子は、どんな子なのだろう?」
どんな時においても、黒子はひたすらに魅了されている。
その気持ちは、あたかもこの女子生徒に引き出されているかのように。
それまで丸めていた背筋を伸ばした黒子は、
「ん?」
あるものを見つけた。
先程から、女子生徒の寝顔に気を取られていたため気付かなかったが。
それは、女子生徒の乱れた机に乗っている紙…
既視感のあるイラスト。
見慣れた文字の羅列。
黒子にはそれが何か、すぐに分かった。
それは…
バスケ部の勧誘のビラだった。