• テキストサイズ

宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第5章 噂話


●相田 リコ● 〜校庭〜


そもそも、本人にマネージャーになる気が最初からあるなら、誠凛には入っていない。


さっきはキツめなこと言ったけど、「選手をやめてマネージャーになる」って言うのは珍しくない。
というか多いと思う。
最近は特に…


だとしたもだ。
マネージャーをやるなら、それこそ強豪校に行ってるわよ。


悔しいけどね。
「このチームのためにマネージャーになる!」っていう意思を持った子が、進んで進学してくるような高校じゃないのよ…
誠凛は…


だから、ポテチちゃんが誠凛に入学した時点で。
“マネージャーになる気があるか”の議論は元から意味を持たなくなっている。


「水戸部君も言ってたじゃない。
 “部活すらない学校を選ぶなんて
 理由は一つしかない”って」


それは、本人が望んでいないのに“全国出場経験者”という理由で、プレイを強要される心配がないから。
サポートのための知識提供を強要されるのが嫌だから、というのも例外じゃない。


だから、小金井君が言うほどそんな単純な話じゃない。
ポテチちゃんは単に、選手を辞めたわけじゃない。


彼女はバスケを、完全に切り離しに行ってる…


“バスケを辞めたいから”というより…
“バスケに関わりたくないから誠凛(ここ)に来た”という方が濃厚な気がしてきた。


深掘れば、まだあるはずよ。


サポートに回るという選択肢を取らないほど。


彼女が“バスケに関わりたくない”と思った、根本的な理由が…


/ 358ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp