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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第3章 Reset. And...


●藤堂 天● 〜自室〜


地元の学校なんて絶対無理。
そんな簡単に帰ってたまるか。


ママとパパ。それと地元のことを考えていたら、いつの間にか眠気は無くなりかけていた。
だからベッドから出られさえすれば、問題はない。のだが…


やっぱり、ベッドの外は冬だったようだ。
寒い。
エアコンはちゃんと温風をはき出してくれているが、私の部屋を瞬時に温めてはくれないらしい。


眠気から解放され、良し悪しの判断ができるようになったところで、私は今日初めて、時計で時刻を確認した。


私の天敵。目覚まし時計が指し示す現時刻は。
朝7:10。


その時刻を視認した瞬間。
起きて早々に頭に浮んだ「起床」が「起床!起床!起床!」と警告を鳴らし始めた。


これがどういうことか分かるだろうか。
目が覚めてから、ベッドの中で10分も粘ってしまったということだ。怖い。


「お前やっぱり時間早めてんだろ」と確認ついでに時計を睨んでみたが、効果はないようだ。
分かっちゃいる。頭では。これは私の問題だ。
分かっちゃいるけど体が言うことを聞かない。


ともかくだ。
サボりは別として、遅刻しないためには最低でも7:50には家を出なければならない。


私は気づいてしまった。
その時間までに家を出るためには、部屋が完全に温まるまで待っている余裕は無いということに。
それに、律儀に待っていたらそのまま二度寝を決め込んでしまう危険もある。


だから決めなくてはいけない…
寒いベッドの外に、生身で這い出る覚悟を。


『ゔっ…ううぅ…』


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