第3章 Reset. And...
●藤堂 天● 〜自室〜
でもこのままじゃ。
ママから「ほら、やっぱり〜」って言われるよなぁ…
サボったりしたら、パパは連れ戻しにくるだろうか。
初めに言っておくが、サボるつもりは端からない。
単にベッドから出られないだけだ。
ただそれがひたすら厄介、ってだけで。
だが、いざという時のリスクの深堀をしておいて損はないだろう。
だから考えてみよう。
仮にだ。サボった場合。
“あの父親”ならどうするかを。
『………』
ベッドから出られないまま、しばらく考えたけど。
答えが一択だということに気づいた。
というか、既に分かっていたことだろう。
『100%来るな。あの頑固親父。』
逆に来ないわけがない。
パパの性格上、来ないという選択肢があるわけない。
そもそも、納得してくれたかどうかも危ういのに。
『…流石に起きなきゃ。』
別にパパのことは嫌いじゃないけど、自分の父親の突撃に怯えて、私はベッドから出ることを決意した。
再び片腕だけを布団の外に出して、目覚まし時計の隣にあるリモコンを手に取り、暖房のスイッチを入れた。
『ゔうぅ…寒っ!!』
もちろん、暖房を付けたら腕はすぐに布団の中に戻した。