第5章 噂話
●小金井 慎二● 〜校庭〜
それに気づいた時、「これは言う以外にないだろ!」と思ったオレは、「その勢いでイスが倒れてしまうんではないか」と思われてしまうほど素早く椅子から飛び上がった。
「「 ん? 」」
「さっきだって!ものすご美形の女の子に
マネージャーなりませんか〜
って声かけたんだぜ、オレ!!」
立ち上がった勢いに任せて、一息で言い切った。
その後は息が切れて少し苦しかったけど、自分のセリフに底知れない優越感を感じていた。
「え?マネージャー?」
「オマエな…女子より男子に声かけろよ。」
「いや!日向だってその場にいたら
絶対放って置けないって!!」
「なんせ伊月が後になって惜しがるくらいだからな!」って言ってやっても良かったんだけど、それより先に口についてしまったんだ。
「そんだけ可愛かったんだよ、
ポテチちゃんは!!」
「「 はぁ〜? 」」
オレの後に次いで同じ反応を返してきた監督と日向は、練習したのかと思ってしまうほどに綺麗にハモっていた。
それより気になるのは…
なんで2人とも馬鹿を見るような目で見るんだよ?