第4章 この道、桜吹雪につき。注意。
●小金井 慎二● 〜校庭〜
あの、黒髪の大人っぽい女の子を、表現できるような名称が…
「ポテチ、持ってたよな?」
だから彼女に、“ポテチ”の名を充てがった。
捻りも何もないけど、むしろその時のオレたちには、それしか無かった。
オレたちの中に、少なからずインパクトを残していったその存在は…
まるで、女の子の存在そのものだったから。
だから“ポテチちゃん”は。
あくまで親しみを込めて命名したつもりだ。
たぶん、あの女の子の好物なんだろうから。
あの女の子は、“ポテチちゃん”。
取り敢えずな?
だから、早く本名を知るチャンスを掴みたい。
さっきは断られちゃったけど、部活はまだ決めてない、って言ってたし…
希望は捨てないぞ!!
“ポテチちゃん”の本名を知るのも、そう遠くないことを願って。
オレは再び勧誘に挑んだんだ。
「バスケ〜バスケ部〜!」
「部員になって
ブインブイン 言わせよう」
伊月がなんか言ってるけど、訳がわからないからツッコミ放棄。
無事に伊月をスルーして、オレは声がけを続けた。
その時。
視界が急に暗くなったような気がした。
雲で太陽が陰っただけ、とも思ったんだけど。
どうもそうじゃないらしい…
?「あんたら バスケ部か?」
「おぉ?」