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恋はどこからやって来る?(短編・中編)

第67章 七支柱春药 〜壱〜 / 🌫️・💎・🌊・🐍・🍃・🔥・📿



「おいお前、今どんな顔してんのかわかってるか?」

「え…?」

どんな顔と言われても ——七瀬がそう思った瞬間、彼女の唇は再び天元によって塞がれた。

先程の口付けより余裕がない様子を隠そうともしない彼に、七瀬の胸は自然と高まる。彼女の両肩に乗せられた彼の掌は口付けとは違い、柔らかい。

ちう、ちうと一方的に七瀬の唇を吸う天元だが、物足りなく思った彼は、口付けの合間に自分の舌を七瀬の唇へとねじこんだ。

『んっ、苦しい…けど…』

僅かな隙間を見つけながら息をする七瀬だが、天元からの口付けは心地よく、拙いながら彼に応えようと懸命に舌を動かした。

そんな七瀬に気を良くした音柱は、彼女の両肩に置いていた掌を背中と胸元に動かしてゆっくりと撫で始める。

天元の愛撫により、更に心地よくなる七瀬は両腕を彼の首元に回した。二人の体が密着し、互いの体温と心臓の鼓動が高まっていく。

「ん、おと、ばしら…」

「おい…こう言う時は…」

「えっ、んー…」

七瀬の両方の頬が大きな掌で包まれたと思った矢先に、二人の唇が離れる。

驚いて目をゆっくりあけた七瀬を天元のえんじ色の双眸が、じっと見つめていた。

普段余裕たっぷりで彼女を茶化す彼であるが、今は情欲を静かに灯し、真剣な眼差しである。

「…名前で呼ぶもんだろ? 七瀬」

「…!! は、はいっ! 天元…さ、ん」

「ん、じょーでき」

七瀬の唇と天元の唇が、またゆっくりと合わさった。
今度は最初から互いに舌を絡め合わせて、体と心の熱量を上げていく。

唇同士が離れる頃には互いに着用していた服が周りに散らばっており、二人は裸同士で向き合っていた。

「あの…すごく、緊張…して、ます」

「嬉しいねぇ、俺しっかり意識されてんだな」

「天元さんを意識しない女の人は、そう…いないのではないかと」


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