恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第20章 令和の師範と継子 ①/ 🔥✳︎✳︎
土曜日の20:00.
「ねえ、杏寿郎さん」
「どうした?七瀬…」
私は今週末も彼氏の家に来ていた。夕食を一緒に作って済ませた後、ソファーに座ってコーヒーを飲んでいる彼に声をかけた。
このコーヒーはさっき2人で淹れたもので、私はもう全部飲み終わった所。
「どうして私と付き合ってくれてるんですか?」
「……君は面白い質問をするな。何故そう思う」
いや、だって………。前世もそうだったけど、今世の私の見た目は10人並みよりほんの少し上。
体型だって中肉中背。貧相……まではいかないけど、平均点と言う言葉がしっくり来る外見。
かたや、杏寿郎さんは派手な外見ではあるけど、とても端正な顔立ち。そして、身長も女子の殆どが憧れる175センチ超え。
スタイルだって抜群で、何を着てもサマになる。
明るい性格で、学校での指導も凄く熱心。だから先生や生徒達…双方からの信頼も素晴らしく厚い。
「杏寿郎さんって完璧なんですもん。外見も中身も。非の打ち所がないって言うか……」
だから隣にいて時々自分に自信が無くなる時がある。私で良いのかなあって……。
するとコーヒーをグイッと飲み干した彼が、ラグマットに座っている私の横に腰を下ろす。
私が読んでいた雑誌をそっと閉じて、すぐ側に置くと大きな掌で私の左頬を包んでくれた。
「七瀬…」
「はい…」
私を真剣に見る日輪の双眸。その目力に心拍数が途端に上昇して来る。