• テキストサイズ

恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第64章 霞屋敷のふろふき大根には柚子の皮が乗っている / 🌫️



「僕、ゆずはが好きだよ」


無一郎の言葉を聞いて、ゆずはは手の中にある黄色いビードロ玉を見た。
自分を思い出して買ってくれたビードロ玉は、太陽の光を浴びて、手のひらの上で水色のビードロ玉と一緒に光を反射させている。

「……私も、無一郎さんが好きです…」

我慢していた涙がポロポロと流れて、ビードロ玉に落ちていく。
ゆずはの震えている肩を見ながら、無一郎はそっと手を伸ばした。

無一郎の両手がゆずはの顔を覆った。
ゆずはは無一郎の手に導かれる様に、ゆっくり顔を上げる。

「うん…僕の好きはね…。ゆずはが僕以外の人に好かれているのを見るのが嫌なんだ」
「え?」

無一郎の言葉で、最近一緒に出かけた時の不機嫌さを思い出す。

『アレって…もしかして…』

ヤキモチかもしれない、と思った時に、ゆずはの顔がかぁっと赤くなった。


「僕がゆずはを抱いてた時に、代わると声をかけてきた隠も気に入らない」

思い出して、眉間に皺の寄る無一郎の顔を見て、無一郎に触れられている顔が震えてる。

「後、僕以外の男と仲良くして、笑い合ってるゆずはも見たくない」

少し、ゆずはに触れている無一郎の手の力が強くなった。
その感触に、ゆずはも無一郎を見つめて意を決した様に声を出した。


「わっ私も、無一郎さんと同じ好きです!」

顔を真っ赤にして、精一杯声を張ったゆずはに、無一郎は一瞬驚いて、優しく目を細めた。


「私だって、この屋敷で無一郎さんを待つのは誰にも譲れない! 手作りのご飯を食べて無一郎さんが『美味しい』って言うのは、私のご飯だけです!」


ポロポロと涙を流しながら、必死で無一郎に気持ちを伝えるゆずはを見て、もう止められなかった。


/ 938ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp