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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第64章 霞屋敷のふろふき大根には柚子の皮が乗っている / 🌫️


🐿️

竈門の火を一旦止め、早足で玄関へ向かうと丁度屋内に入って来た無一郎がいる。隊服に細かな汚れは付着しているが、返り血を浴びていたり、怪我をした様子は見られない。

ほっと安堵感を味わった後、ただいまと声をかける無一郎から脱刀した日輪刀を受け取る。


「お帰りなさい、ご無事の帰宅何よりです。朝餉がもう少しで出来るよ」

「そう、ありがとう。凄くお腹すいてるから早く食べたい」

草履を脱いだと思えば、右手を腹部に当てて空腹をすぐに訴える霞柱に、ゆずはは思わず笑顔になる。

「ふふ、わかったよ。居間に運ぶから着替えて来て下さい」

「あ、ねえ。君さ、今日はどこかへ出かける?」

何故そんな事を聞いて来るのだろう。
ふとした疑問がゆずはの脳内に浮かぶが、それはさておき —— 買い物へ行くと返答した。


すると……

「わかった。じゃあ僕も一緒に行く」

「えっ? あの、でも無一郎さん帰って来たばかりで疲れてるんじゃ……」

慌てて両手を胸の前で振るゆずはだが、無一郎は「全然疲れてない、一緒に行く」と念押しをした。

突然の申し出に気持ちがついていかないゆずはだが、ここまで訴える無一郎の気持ちを無碍にするのも申し訳ない。


彼女は主と共に、何故か出かける事になってしまった。
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