恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第62章 Halloween masquerade / 🌊・🔥
「ここも綺麗だ」
「ふふ、今日は綺麗ってたくさん言って貰えるから、テンションが上がっちゃいます」
「綺麗な物を綺麗と言うのは当然だろう?」
「杏寿郎さん…」
恥ずかしそうに笑う七瀬の指先に、彼の口付けがゆっくりと落ちた ——
「引くぞ、良いか?」
「はい……お願いします」
白いヒール靴とストッキングが脱がされた後、ドレスも七瀬の体から取り払われた。ソファにそれがふわっとかけられると、杏寿郎が彼女の元へ戻って来る。
「あのドレス、本当に素敵です。着れて良かったあ」
「そうだな」
笑顔を見せた七瀬に杏寿郎はキスを唇に贈る。
角度を何回か変えながら、肩から腕。脇から腰までを撫でつつ、肩ストラップが外された下着をゆっくりと外した。
「綺麗な体だ」
「ドレスには負けますよ?」
「こら、そうやって揚げ足を取るな」
ついつい照れ隠しからそんな事を言ってしまうのが、七瀬の悪い癖だ。
「杏寿郎さん……その、私だけこの格好って言うのは…」
「ああ、たまらなく恥ずかしいだろう。承知している」
「意地悪」
「もうわかっている事だろう。七瀬の笑顔も好みだが、君がそうやって困る顔を見るのも好きなんだ」
—— とんだ殺し文句である。
「じきに俺も脱ぐ」
「それっていつ……」
続く言葉は彼の口付けに飲み込まれた。啄むキスがひと段落すると、互いの舌を絡ませ合うそれに七瀬の心と体が少しずつ熱くなっていく。
「取るぞ」
「あっ……」
最後の砦のショーツに杏寿郎の手が触れると、ビクッと揺れる彼女の体。下着は既に乾いている面積がほとんどなくなっており、小さな穴からとろとろと流れている愛液が主張するように滲んでいた。