恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎
「ごめ、ん……出る、ね」
「あ、待っ…むいちろ、く……!」
ズル…と七瀬の中から男根を引き抜くと、先端から出て来たのは彼女と触れ合ってたくさん満たされた欲だ。
一回で出し切る事は難しかったので、複数回に分けて放った。
はあー……と深い息をはきながら、恋人の顔の横に両手をつく。
閉じていた瞼を開けると目の前には、にっこりと笑った七瀬がいる。
「どうしたの、嬉しそうな顔して」
「無一郎くんはやっぱりきれいだなあって見惚れていたの」
「そう」
そっけなく返答した俺の視界に彼女の腹部が入った。
そこには山なりの形に鎮座している、自分の白い欲がある。
そうだ、拭かなきゃいけないんだっけ。
七瀬の両頬を包み、口付けを贈る。ちうと吸い上げた後は文机に置いてあるちり紙を数枚手に取り、白濁を拭き取った。
「無一郎くん、気持ち……良かったよ」
「そう」
「………」
「………」
さっきもだけど、これじゃあちょっとそっけないよね。
思い直した俺は七瀬の上から覆い被さり、恋人をぎゅうっと抱きしめた。
「ふふ、どうしたの?」
「うん……俺も…気持ち、良かったよ」
「良かったー!さっき凄くそっけなかったから内心気になってたの。満足しなかったのかなって」
「うーん、満足はしていないかな」
「えっ? どう言う事?」
安心して表情を和らげた ——— かと思えば、今度は少し不安そうに眉間にしわを寄せる恋人だ。
こうやって表情をくるくる変える所は、やっぱり歳上には見えない。胸の中が愛おしい気持ちでいっぱいになった俺は、秘密を打ち明けるように、唇を彼女の左耳に近づける。