第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎

「凄く甘そう」

「えっ、あ…ん」


チロ、チロときらきらと輝く雫を舐め取ってみると、頭上からも甘味のようにまろやかな声が届いた。


「凄い……、どんどん…はァ、溢れ、る」

「ひゃっ、息……かか、やんっ」


どこまでこぼれて来るのだろう。
舌でどれだけ舐め取ってもそれ以上にとろ、とろと溢れて来る彼女の甘い液は、鼻腔と口内を誘う。


「指を、こうするんだよね」

「んっ……」

入り口をたっぷりと堪能した俺は、名残惜しい気持ちを持ちつつ、顔を少し上げた。大丈夫、またここを味わう機会はやって来る。

そんな確信に近い予感をしながら、ちゅぷ……と今まで舌で愛撫していた入り口に人差し指を沈めた。

あたたかく、柔らかな膣壁。
だけど指を進める度、全方位からの締め付けが心地よい。

一度中で回転すると、グチュと淫らな水音が響く。
二回、三回と続けながら七瀬の反応を確認することも忘れない。

「七瀬の中は気持ちいいね、もう少し解しておくよ」

「あっ……増やしちゃ、ダメッ」


ズズズ…と中指も侵入させた。締め付けが一本の時よりやや増した気がする。
愛撫を続けると、変わらず甘くてまろやかな声を聞かせてくれる恋人がかわいい。


「むいち、はあっ、くん……」

息を切らしながら名前を呼んでくれる君に、一度口付けを贈ると彼女の顔には笑顔が咲いた。

「はいって…きて。一緒に気持ちよく、なりたい」

「七瀬、そう言う事は俺に言わせてよ」


まいったなあ。先に言われちゃった。
悪い気はもちろんしないけど、何か少しだけ悔しい気分だ。


「ふふ、ごめんね。でももう……我慢出来なくなって来て」

「君さ、急に言い過ぎ」

きっとその我慢が大きいのは、俺だ。