恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第16章 令和の緋色と茜色 / 🔥
こう言う時はこれだ。
「杏寿郎さん、ちょっと……」
私が手招きすると、当たり前のように。そして嬉しそうに。彼は自分の耳を私の顔の前に寄せてくる。
コソコソコソ………。
素早く伝えると、パッと彼の耳から顔を離した。もう頭から湯気が出そうなぐらい、顔まわりが熱さに包まれている。
項垂れた私の頭上からはくつくつと笑う声。
そうして彼が私の顎をくいっと掴んで、顔を上に向けてくれた。
「君は本当にかわいいな、七瀬」
「大好きだ」
「ん……」
私も杏寿郎さんが大好き。
再び彼との愛のやりとりがキスから始まる。さっきと違うのはそのやりとりが深いものだった、と言う事。
私は前世で彼と一緒に見たしし座流星群を思い出しながら、流星が流れるように降り注いでくれる恋人からの愛情に、身も心も委ねていった。
「……あなたと繋がりたいです。杏寿郎さん」
end.