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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第58章 Evviva!(エッビーバ) / 🔥 ✳︎✳︎



「七瀬……」
「んっ」

自分の名前を呼んだ彼の声。それと一緒にキスが降って来た。最初はこちらの様子を伺うように。
啄みを繰り返す恋人からの口付けは、とても気持ち良かった。

もっと……して欲しいな。
私は彼の長袖プルオーバーを掴んでいた両手を、そっと首元に回してみた。

「んっ、はぁ」
「口を、もっと…あけれる、か?」

首に手を回したお陰で二人の距離がぐっと近づく。息継ぎをすると同時に気持ち程度に口を開くと、ぬるっと蠢く杏寿郎さんのあたたかな舌が侵入した。

ちうちうと啄む音に加えて、互いの舌を絡ませ合う音が室内に響いていく。体の中心が熱くなるようなキスだ。
体温が実際に上昇して来た感覚がした途端、急に腰元が涼しくなる。

「あっ、もう。杏寿郎さん…」
「暑そうにしていたから、脱がせたのだが…違ったか?」

ぷはっと一旦、彼の唇から自分の唇を外して真上にいる恋人にじとっとした目線を送る。すると言われた言葉がこれだ。

「違……わないです」
「そうか、良かった」
「んっ、」

膝丈のスカートをするすると脱がせられた後は、下に履いていたタイツも取り払われた。

「一緒に、んう…脱ぎましょうよ……」

息継ぎの合間に私がそんな提案をすると、プルオーバーをバサっと脱ぐ杏寿郎さんだ。

「暑いな……」
「は、は、い……」

ベッドの横に立ててある間接照明代わりのランプ。これをパチっと点けた彼は履いていたジーンズも手早く脱ぎ始めている。

ぼんやりと照らされた彼の体は、整っている顔立ちと同じように筋肉質な体躯が見事だった。

『どうしよう、私の体なんてとてもじゃないけど見せられない……!』

上に着ているセーターを脱ぐのに戸惑っていると、その気持ちごと取り払うように彼に脱がされてしまう。


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