恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第56章 明けない太陽の世界へ〜彼目線〜 / 🔥✳︎✳︎
互いの顔がゆっくり近づいて行くと、2つの唇が引力に導かれるように静かに重なった。
海底に深く深く沈んでいくような口付けを交わした後、鬼になった彼女の体を隅々まで味わいつくしていく。
2人の両手がきゅっと絡み合えば、20個の橙色がより強く輝きを増す。俺達は日の光を浴びる事が出来ない。常に行く先は真っ暗な闇の中だ。
互いの爪紅 —— それは宵闇をぼんやりと照らす灯火のような物なのかもしれない。
自分の男根が熱い。彼女を求める気持ちが今までで一番と言って程に昂っている。愛液でたっぷりと濡れている七瀬の秘所。
そこにゆっくりと侵入していく。すると、途方もない快感が全身を駆け巡った。
これは、おかしくなりそうだ。
「君と繋がって……こんなに気持ち良いのは.、初めてかもしれないな」
「私も凄く、はぁ……気持ちいい……」
甘くて、幸せな気持ちだ。俺は昂った肉棒を彼女の最奥に突き立てる。
「あん!!」
「七瀬、もっと君の声を聞かせてくれ……これからはずっと一緒だ……」
「うん……離さないでね」
大好きな君と明るい光が届かない場所へ
大好きな君と月明かりだけが柔らかく灯る世界へ
自分達は鬼だ。だから君と二人で明けない太陽の世界へ堕ちていく。
七瀬と共に深い深い暗闇へと身も心も沈んでいく。
俺はきっと……君と出会う為に鬼となった。
end.