恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第55章 誰にも言えない2人だけの誓い〜夢主目線〜 / 🔥✳︎✳︎
「七瀬……もっと開いてくれ」
「ん、こう?」
私は彼に言われるまま、股をゆっくりゆっくりと動かした。
とても恥ずかしい。
だけど下腹部の出入り口からとろり、とろりと恋人を求める愛液が滲み出ている。毎回ながら自分の意思と無関係な行動をしてしまう体だ。
「君のここは溢れる泉だな」
「あん…ダメ……」
尖った舌が蜜で湿っている箇所を味わうように舐めると、ちゅぷ・ちゅぷと卑猥な水音も聞こえる。
やっぱり恥ずかしいな。時々彼の牙が粘膜に当たりそうになるが、傷をつくる事はない。
気遣ってくれる優しさがとても嬉しい。
「凄いな。一体どこまで流れ出る?」
「あ、ん……ダメだよ」
あたたかな舌が割れ目をなぞる度に湿りを増していく出入り口だ。それがしばらく続けられ、私はたくさん甲高い声を発してしまう羽目になった。
「どうだ?」
十分程の愛撫が終わり、彼が私の上から覗きこんで来る。
緋色の双眸には鬼の証である刻印が刻まれているのだけど、恥ずかしくて彼の目が見れない。
「聞かないで。恥ずかしい……」
口元を手で抑え、目を逸らしてそう答えた。しかし、言った後で後悔してしまう。杏寿郎には逆効果になる為だ。
「ダメだ。君の口から聞きたい」
「杏寿郎の意地悪……」
ほら、やっぱり言って来た。頑なに顔をそらし続けていると、大きな掌に頬を包まれた。そして正面に向かされてしまう。
彼の右目と左目には鬼である事を表す刻印がそれぞれ刻まれており、じいっと射抜くように見つめられると心臓の鼓動が速さを増した。
「もう一度聞くぞ……どうだった?」
「……った……」
「ん?よく聞こえないのだが……」
「凄く良かった……!」
もう!何言わせるの……!
私はまた恥ずかしさに襲われ、顔を再度横に向けてしまう。
すると杏寿郎が小さな口付けをくれた。彼のこの行為で羞恥心が消し飛んでしまうのだから、本当に恋は厄介だと思う。