恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第53章 Latte ship / 🔥✳︎✳︎
「俺の服も外してくれないか?」
「え……?ボタン?」
「ああ。ジャケットは脱がせて貰えると助かる」
剥き出しになっている腰から臀部のラインを撫でられると、ぞくっと背中が震えた。
ジャケット”は”と言う事は、シャツはその……。
まばたきを多くしていると、彼がまたくつくつと笑い出す。
杏寿郎さんは情事中、いつもこうやって私の反応を楽しむ。本気で怒る気になれないのは、私が彼の事を好きだから。そして意地悪をしてくる中にも優しさを感じるから。
二本の指は私の中に入ったままだ。
とても落ち着けない。どうした物かなあと少し様子見していたが、恋人は「ん?」と笑うばかりで引き抜く気はないらしい。
はあ、と観念した私は彼のジャケットのボタンをまず外していく。
「右手。入ってるままじゃ脱げないよ」
「それは失敬」
今気づいたと言わんばかりの態度を見せ、一旦彼は私の蜜壺の中から指を抜いた。てらてらと光っているそこを拭う事もせず、ジャケットをバサっと脱ぐと出てくるのは白いシャツ。
これはパイロットシャツと呼ばれている衣服で、両肩には黒地に黄色い四本線の肩章(けんしょう)が付いている。ジャケットの袖と同じようにこれも杏寿郎さんが機長であるしるしだ。
「シャツも頼む」
「うん……あっ、やん」
ボタンを外そうとした矢先に、彼は再び私の蜜が溢れている出入り口へと二本の指を挿入した。
「君の体は本当に正直だな」
杏寿郎さんの言葉通り、私の膣壁は彼の二本指をきゅっと締め付ける。そんな中、何とか黒ネクタイを解いた後はゆっくりと上からシャツのボタンを外していった。
「終わったよ」と声をかけると、沈黙が数十秒続く。熱い熱い視線を感じる。
「良い眺めだ」
もう……誰がこうしたと思ってるの!
思わず肩をパン!と叩いてしまうが、彼は私の右手を絡め取った後、指先にちうと小さな音を響かせる。