恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第52章 Espresso Control / 🌊✳︎✳︎
翌週、月曜日 ——。
「Tokyo departure, Kimetsu airlines 510, passing 1400 for flight level 200.」
(東京デパーチャー、キメツ航空510便です。1400フィートを通過、フライトレベル200へ上昇中です)
「Kimetsu airlines 510,radar contact, heading 090, climbing flight level 230.」
(キメツ航空510便、レーダーで確認しました。針路90度へ向かって、フライトレベル200まで上昇してください)
キメツ航空510便が真っ青な大空へ飛び立って行く。管制アナウンスをしているのは義勇さんだ。どうやら本日の便を操縦しているパイロットも煉獄さんらしい。
『 Good control !また機会があればよろしく頼む 』
機体が無事に着陸した後、彼から激励を受けた事を思い出す。こうして客観的に聞いているとすぐに煉獄さんってわかるのに…私、あの時本当に集中していたんだなあ。
「Resume on your navigation direct YOKOSUKA, comply with discretion.」
(フライトプランの航行を開始し、横須賀へ向かってください。以後の針路の判断を委ねます)
『よし、無事に行ったな。良かった』
これ以降は到着側の空港管制塔の管轄だ。すると義勇さんが管制マイクに向かってこう発した。
「Have a good flight !」
「え……」
「うそ、冨岡さんがそんな事言うなんて」
私が煉獄キャプテンから激励の言葉をもらったあの日と同じくらい、周囲がざわついている。
「?……どうした?何か間違っていたか?」
「ううん、大丈夫だよ。今日も完璧でした!さすがです」
「そうか」
疑問符を浮かべながらこちらを観る義勇さんだが、どうやら私の返答に安心したようだ。いつもはあまり見せない柔らかい笑顔に、ドキッと胸が高鳴った。
Have a good flight ! ——— 良いフライトを!
end.