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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第52章 Espresso Control / 🌊✳︎✳︎



「義勇さん、そう言えば来週の水曜日お誕生日だよね?」

「……そうだったな」

少しの間の後、そう答えた彼。二月八日は義勇さんの誕生日だ。恋人になってからと言う物、毎年ささやかではあるけど二人でお祝いをしている。

しかし、彼の中ではあまりピンと来ないのか?当日メールでお祝いしてようやく思い出す……と言った事が恒例行事になっているのだ。


今年も例に漏れず、私が話題に出さなかったら当日まできっと忘れていた事だろう。


「業務が終わったら、スペシャル料理作るよ!」

「スペシャルか?」

「うん!今年は鮭大根の他にケーキも作る。いつも買って来てばかりでしょ?だからたまには頑張って作りたい」

「そうか」


少し戸惑っているものの、私の左耳にはフッと彼が小さく笑う気配が感じられた。
どうやら楽しみにしてくれているようだ。気分を良くした義勇さんと後二回情交を結んで、私達はいつも通り過ごした。







それから四日後の水曜日。今日は二月八日。
義勇さんの誕生日であり、私の初めての管制業務の日だ。
嬉しい気持ち。それから緊張で落ち着かない気持ち。そんな相反する二つの感情に胸中は支配されていたのだが ——




「Tokyo control, Kimetsu airlines 208, leaving 12 thousand, climbing flight level 290, request 360. 」
(東京コントロール、キメツ航空208便です。現在12000フィートを通過、フライトレベル290に上昇中です。フライトレベルは360を希望します)


「Kinetsu airlines 208, Tokyo control roger, climb and maintain flight level 360.」
(キメツ航空208便、東京コントロール、了解しました。上昇してフライトレベル360を維持してください)


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