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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第49章 両手に炎 〜炎柱ver.〜 / 🔥・🎴



「くりすますけーき?」

「うん、最近異国から日本に入ってきた西洋菓子で……くりすますって呼ばれている12月25日と、その前の日の24日に食べるんだって」

「俺そう言えば昨日その菓子のちらしを貰いましたよ」

「えー!千寿郎くん、後で見せて」

「あ、俺も見たい。どんな物か気になる」

「わかりました、じゃあ後でお見せしますね」



12月中旬。
吐く息は白く、雪が降ってもおかしくない気温の日が最近続いている —— そんなある日の事だ。

煉獄家の屋敷内にある厨(くりや)で2人の少年と1人の少女が朝食の準備をしている。


「わあ……今日のさつまいものお味噌汁、とっても美味しそうに出来たよ。師範喜んでくれるかな?」

少女の名前は沢渡七瀬。彼女は杏寿郎の継子だ。
鍋の蓋を開けた途端、にっこりとその顔に笑顔を宿した。


「炭治郎さんのお味噌汁も絶品ですけど、七瀬さんのお味噌汁も絶品ですからね。俺はいつも楽しみにしていますよ」

少年の名前は煉獄千寿郎。杏寿郎の歳の離れた弟である。


「何か照れるな…ありがとう」

このはにかみながら千寿郎に礼を言ったのが竈門炭治郎。彼もまた杏寿郎の継子である。




『うむ!今日も我が弟と継子達は仲が良さそうだ』

厨から聞こえる3人の楽しそうな声色についつい杏寿郎の顔も綻ぶ。
しかし……もう少しで厨に着くと言う頃合いで、師範は足を止めた。


『可能なら俺もあの中に入りたいのだが』

杏寿郎は炊事が苦手だ。
継子達がこの家にやって来る前、一度大失敗をした事がある。その為こんな事を言われてしまった。


『杏寿郎はしばらく厨への出入りは禁止だ。大事な食材を無駄にされると困る』

これは杏寿郎・千寿郎の父である槇寿郎の言葉。因みに槇寿郎自身も炊事は苦手である。


「あ、師範!朝食の用意できましたよー」

厨の入り口に杏寿郎がたどり着いた時、七瀬が笑顔で声をかけた。


「ありがとう!では俺が父上を呼んでこよう」
「俺ならここだが?」

え?と杏寿郎が後ろを振り向くと、そこには既に槇寿郎がいた。


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