第46章 狐火の契約 / 🔥✳︎✳︎

「あっ、やん……熱い！あぁん！」


中に入っている彼の男根から放たれる、熱い熱い欲望。
それが私の膣壁に火をつけた。

彼の力なのだろうか。
それが脳に、手足に、そして心臓に広がっていく感覚が駆け抜ける。

臀部に違和感があった。意思を持って私の太ももに触れる何かが存在している。


「……七瀬がやっと俺だけの物になった。揃いの場所がまた増えたな」

「はあ、はあ……揃いって……？」

息が切れている中、どうにか声を絞り出して彼に質問をする。
「こことここだ」と該当の箇所を順々に触られた。

それは臀部に生えているふわふわした尻尾と、頭頂部にぴょこんと鎮座している狐の耳だった。


「わっ…凄いね。いたっ、」

試しに頭の耳を引っ張ってみると、痛みがきちんとある。尻尾も同様に引っ張ると、臀部も痛かった。
そんな様子を見た彼が微笑ましい表情を見せる。


「これ、向こうで生活する時はどうなるの？」

率直な疑問を彼に聞くと「見えないようにするから、問題ない！」と頼もしい返答が返って来た。

それから、ふと真顔になる杏寿郎さんだ。
大きな両手が私の頬を優しく包むと、心臓が心地よく跳ねる。


「どうしたの？」

「七瀬、せっかく同じ妖狐になったんだ。今はこちらの世界の事だけ考えていてくれ」

「うん、そうだね。ごめん……」

私からお詫びの意味を込めて、杏寿郎さんに口付けを贈る。


「君の狐火は本当に美しいな。出会った頃と少しも変わらない」

瞼に２つの口付けが落ちた。狐火 —— 私達2人の瞳の中に存在するしるしだ。
そして、私と彼を最初に繋げてくれたきっかけでもある。

「杏寿郎さんの狐火も、すっごく綺麗だよ」
「最愛の妻からの褒め言葉は、本当に嬉しいものだ」

“ありがとう” のお礼と一緒に、彼が私を抱き寄せた。