恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第13章 夏の個別練習 / 🎴
「ナイッシュー!」
炭治郎が放ったシュートが綺麗な弧を描いて
ゴールに入った。
ミーンミンミンミーン………
近くの木から蝉の元気が良い鳴き声が聞こえる。
今は夏休み。午前の練習が終わって、彼は個別でシュート練習をしている。
「もう少しコントロール力を上げれれば良いんだけど」
彼はそう言って左足のつま先をトントン、と地面に当てて私の方をみると苦笑いした。
「それは左右両方同じ力で蹴れるのが理想だけどねー。得意な方を磨くって言うのも、やっぱ大事なんじゃない?」
「そうかもな」
今日も暑い。汗が次々に流れて、衣服に染み込んでいく。
「ねえ、この辺で水分補給しよ?」
私は彼にスポーツドリンクが入ったボトルを渡す。
ゴク、ゴク、ゴク……。
炭治郎の喉仏が小刻みに動く。
「冬の選手権、今年は優勝したい」
「去年は準優勝だったもんね……」