恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第45章 4年後の茜色へ / 🔥✳︎✳︎
『脱がすのはもったいないが……俺が見たいのはこの下にある物だ』
杏寿郎の本能が少しずつ表出していく。そんな空気を七瀬は感じ取り、胸の鼓動が段々と速くなる。
じっと見つめる彼の目力は暗い場所だとよく映える。
「んっ…」
ブラの隙間から大きな両の掌がスルッと入り込んだ。柔らかい感触の中に一点だけ固く尖っている場所がある。
親指でそれを確かめた杏寿郎は満足そうに微笑んだ後、背中のホックをぷち、と外した。
固定されていた膨らみがぷるんと少しだけ揺れた。ストラップをゆっくりと外し、下着が取り去られると ———
そこから姿を現すのは完熟…と言う程ではないが、弾力があり、触り心地が良い2つの乳房。
「また大きくなったか?…」
「どうでしょう…んっ、自分ではあまり、わかりません……」
やわやわと包むように触れられると、2つの蕾の質量がまた増していく。それにも気分を良くした杏寿郎は尖った両方の先端をトントン、と人差し指で刺激した。
七瀬の口からはあっ…と甘い吐息がこぼれる。片方の蕾を彼が口に含むと、吐息がより一層濃厚になる。
「ここも触れて欲しいのだろう?望み通り、愛でてあげよう」
ショーツの隙間から空いている左手を侵入させた杏寿郎は、黒い茂みをかきわけ、割れ目をそろっと撫でる。ねっとりとした雫が、彼の指に絡みついた。
頭上では更に糖度が高くなった恋人の甘い響きが、聴覚に心地よく入って来る。
ショーツを脱がされた七瀬は、杏寿郎が与えてくれる愛撫に段々と酔い始めていた。
2人の体がセミダブルのベッドに静かに沈んだのを合図に、杏寿郎は自分の下着を取り払う。
「私より体が綺麗で本当、ずるいです……」
「そうだろうか?」
「はい……」
筋肉がバランスよくついている彼の体は、整った顔と同様にとても魅力的だ。
七瀬はいつも杏寿郎と情交を重ねる度に実感している。
厚い胸板にそっと自分の右手を這わせば、瞬時に指を絡められ、指先に弾む口付けが落ちた。