第45章 4年後の茜色へ / 🔥✳︎✳︎

「綺麗だな」

彼の右手人差し指が昨晩の花、今しがた咲いた花をつつ…と辿る。そして、ち……ちうと杏寿郎の口付けが弾むように落ちた。

ぴくんと跳ねる七瀬の体に気を良くした彼は、続けて膨らみにもまた花を咲かせる。


「いつも思うんですけど……」
「何だ？」

唇に落ちるのは、優しい優しい一粒の口付けだ。


「キスマーク……つけてもらう度に何だか食べられているような感覚です」
真っ赤な顔を見せながらそう呟く七瀬。


「うむ、あながち間違ってはない！」
「あっ、んっ……」

鎖骨の両側にも強く吸い付く杏寿郎。花を咲かせた後、口付けをまたそれぞれに落とす。


「君の体はどこも甘い。故に全て味わいたいと……。いつも思うからな」
「〜〜っ！！」

声にならない声を出し、パン！と彼の左肩を叩く七瀬だが、いとも簡単にその右手は恋人の左手に絡め取られてしまう。


「む？ネイルが取れかかっているな。後で塗り直そう……うむ。ここも変わらずに甘い」
「ちょ、やだ…」

5指に落ちる口付け。そして一本一本丁寧に舌で舐められた彼女は、また体を捩らせた。

「左もだ」

右手と同じように5指全てに落ちる口付けと、丹念な舌での愛撫。杏寿郎の息遣いも同時に味わった七瀬の下腹部は既にとろとろになっている。


「…………どうした？七瀬」
くちゅ、と彼の右手が雫で濡れている黒い茂みをかきわけ、割れ目をなぞった。

「あ、ん……ダメ、です」
「朝でもこんなに反応してくれる……そんな君が俺は大好きだ」


杏寿郎の左手がそっと七瀬の右胸を包み込み、ぐっぐっと揉みしだいていく。恋人の声が一段と高く啼いた瞬間、彼は彼女の膨らみの突起をくぷ、と口に入れる。