恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第38章 未来へのステップ and Go! / 🌊
♪〜
「ワンエン、トゥエン、スリーエンフォー」
「ファイ……義勇さん、大丈夫ですか?手と足の動きが同じになってますよ!一旦音楽止めますね。もう一回おさらいしますか?」
スマホから流れている音楽が一旦停止する。
私は義勇さんと一緒にダンスの練習をしている所だ。
「それとも一度休憩入れますか?ブレイクタイム」
リビングのテーブルに置いてある竈門ベーカリーのパンが入ったポリ袋を指差し、彼に聞くと……。
「いや、もう一度だけやってからにする」
フウ…と深く息を一度吐き出して、近くに置いてあったフェイスタオルで顔の汗を拭く。
イケメンは何してもやっぱりサマになるなあ。
義勇さんは女の私から見ても、本当に綺麗だ。一つ一つのパーツの造形美とも言おうか。それがハッとする程の美しさなのである。
「最後の一回、今日1番良かったですよ。この調子なら先生達との息もぴったり合うんじゃないでしょうか?」
「…だと良いのだが。ダンスはなかなか奥深いな」
今日定めたダンスメニューが終わり、私は彼とパンを食べている。義勇さんはメロンパン、私はウインナーロールだ。
飲み物はコーヒーと紅茶。ブラックコーヒーをいつも飲む恋人と、ミルクティー若しくはレモンティーを飲む自分。
いつもの私達の光景である。ダンスの練習をしている以外は。
—— 話は1週間前に遡る。