恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第36章 未来の青写真〜早春〜 / 🔥
「そうだな」
「ん……」
彼から優しく、温かいキス。軽く啄むそれが少しずつ深くなった所で、杏寿郎の右掌が七瀬の胸元に軽く触れる。
「すみません、ここではそれ以上は恥ずかしいです…」
今は明るい電気がついているリビング。
「たまには趣を変えるのも新鮮で良いと思うが?」
空いている左手が彼女の首元を撫で、杏寿郎の唇もそこに届く。
「ん……勘弁して下さい…」
七瀬はやんわりと恋人の肩を掴んで離すけれど、自分の首に彼の手は回ったままだ。
「そう言う事を言われると、ますますここで続けたくなる」
「意地悪言わないでください……」
彼女は泣きそうになってしまう。真っ赤にもなっているであろう顔を見られたくなくて、下を向いた。
「すまん、君の困る顔が俺はなかなか好みでな」
そうして顎を取られ、キスをくれた彼はそのまま七瀬をぎゅっ…と抱きしめる。
「それって褒め言葉なんでしょうか……」
「———無論」
彼女は彼に宝物を優しく包み込むような横抱きをされた。
「ドレスがよく似合っているから、脱がせるのは非常にもったいないが……その下も俺は見たい」
七瀬の今日の下着はいつもの可愛いデザインとは違い、大人っぽいレース素材のセットアップ。ちなみに色は黒である。
彼女のあまり大きくない胸でも美乳かつ形よく見せてくれるプチプラ商品をまたネットで見つけたようだ。
「今日は……ちょっと……」
“頑張ってみました” ここは恥ずかしかったので、彼の耳元でこっそりと。
「それは楽しみだな。行こう」
にっこりと笑った彼に、いつものように寝室に連れて行かれる。
七瀬は大好きな彼と夜通し、心と体を結んで、たくさん話をした。
“杏寿郎さんのお嫁さんに早くなりたいなあ”
その気持ちを強く感じた……そんな夜である。
end.