恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第9章 雨、飴、のち 虹 / 🌊
「ほら、受け取れ」
「は、い……」
ひとなめした飴を目の前の唇にそうっと入れてやる。
「交代でこうやって転がせば、2人で食せるだろ?」
ち、ちう……と七瀬の唇を味わえば、コロンと俺の口にも飴が転がってくる。
飴も七瀬の唇も、甘いな……。
「義勇、さん……」
「なんだ……」
「今度、活動写真を……んう、観にいきたい、です」
やはりしたい事があったか。
「ああ、一緒に行こう」
そのまま俺達は飴を介して、口付けを繰り返した。飴が溶けてなくなる頃に、ちょうど降り続いた雨も止んだ。
帰り道は空に綺麗な虹が浮かんでいた——
end