恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第34章 狐に嫁入り? ③ / 🔥
「沢渡七瀬様
株式会社メテオ(※1…流星の事)の横浜と申します。先日は当社の社員採用試験(最終面談)にお越し頂き、誠にありがとうございます。
選考の結果、沢渡様を令和◯年4月1日付けで当社社員として採用する事に決定致しましたので、そのご連絡です。
つきましては………」
私はメールに引き続き、書面での採用通知を読みながら喜びに打ち震えていた。
う、う、嬉しい!!
やっと…やっと私も4月からの所属先が決まった。両目から次々とあふれる涙をティッシュで拭い、ミニテーブルに置いてあるスマホを手に取る。
メッセージアプリを開き、狛治にその旨を送信。すると1分も経たない内に彼からの返信が届いた。
「七瀬お疲れ。どうなるかと思ったけど、就職決まって本当に良かったな」
「うん、諦めずに頑張って来て良かった。狛治も色々励ましてくれてありがとう、その度に勇気もらってたよ」
ここは幼馴染である狛治の家の客間。私のマンションから徒歩10分もあれば行ける距離に素山家は建っている。ご両親は昨日から県外の祭事に呼ばれて留守にしているとの事。
「父さんも母さんもお前の事、本当に心配してたんだぞ。母さんなんてじゃあうちにお嫁に来る?…なんて言ってたし」
「え?嫁?」
「そう、嫁。因みに俺もお前ならアリかな…なんて思ってたりする」
「狛治、冗談やめてよ…」
「冗談じゃない。本気だ」
座卓の対面側に座っている彼が、急に真剣な眼差しを見せる。