恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第33章 狐に嫁入り? ② / 🔥
「もう夜も更けてきた。慣れない事ばかりで疲れただろう?もう休め…」
「ありがとう、そうする……」
“じゃあまた明日”
そう彼に挨拶をして、10畳程の客間に戻る。広すぎず、狭すぎず、丁度良い広さに安心した。
パタンと襖を閉めた後は、電球を豆電球のみにして和室に敷かれた布団にもそもそと入る。すると布団からふわっと漂う杏子の良い香りがした。
部屋の中には心地よい気分で過ごせそうなお香が焚いてある。この香りはヒノキ。
脳の活動と自立神経活動を鎮静化し、リラックス効果がありますよ…と温泉に入る前に瑠火さんが教えてくれたっけ。
瞼が重くなって来た。大きなあくびが一回出る。
色々な疲れが一度に押し寄せて、私はそのまま眠りの世界へ促された......。
次の日の朝。チチチ……と雀が愛らしく鳴く声で目が覚める。
ん……夢も見なかったな。
お香と、この布団の香りのお陰だろうか。昨日の温泉効果もやはりあるのだろう。体と心がとてもスッキリした状態で目が覚めた。
「七瀬?起きているか?」
襖の外から普段の大きな声量からは考えられない声が聴こえる。
「うん、大丈夫……だけど」 「おはよう!よく眠れたか??」
“寝起きだから、あまり見られたくないかな…”と言う間は全く与えられず、朝から元気な杏寿郎さんが入って来た。
さて、今日はどんな1日になるかな。
→→→その③に続く