恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第9章 雨、飴、のち 虹 / 🌊
「義勇さん」
「何だ……」
恋人であり、妹弟子の七瀬が俺に話しかけて来る。
「この雨、いつまで降るんでしょうか」
「さあな」
「………」
会話が止まった。いつもの事だ。
先生の所から帰る際に雨に降られた。雨足が強くなる一方で、全く止む気配が無い。なので、洞窟の中で雨宿りをしながら隣り合って座っている。
この所、柱の任務が特に忙しく、七瀬とは出かける時間が取れていなかった。だから久しぶりに師匠の所に行こうと珍しく俺から提案してみた。
七瀬は「義勇さんはお忙しいんだから大丈夫ですよ」とは言うが……それが本心から出ているものではないと言う事は流石に想像出来る。
「おい」
「何ですか?」
七瀬の左頬に掌をあてる。こちらをみる、真っ直ぐな2つの目。
「んぅ」
俺は恋人に口付けた。
少し啄んだ後にするりと舌を差し込むと、浅い口付けから深い口付けへ少しずつ切り替えて行く。
そうして自分の首に彼女の腕が回ったのを合図に、更に更に彼女の口腔内を堪能していた所 ——